バカとハサミは使いよう | ウソ、大げさ、紛らわしい

バカとハサミは使いよう

さて、予告通り今回のお話は「バカとハサミは使いよう」というお話。
一般的に流布されている諺とは若干用法が変わるかも知れません。ご了承を。

これは彼らのプレゼン中にちょっと聞いたお話にインスパイアされた揚げ足取りです。
自分たちのビジネスシステムを正当化するための方便です。
「破綻する人・不当な行いを行う人についてどう思う?」という問いに対してのありがたいお話です。
以下、彼らの言い分です。

『アムウェイのビジネスシステムを包丁と思ってください。包丁を使ってとてもおいしい料理を作ることができる人がいます。しかし、その包丁を使って人を殺してしまうとか犯罪を犯してしまう人もいます。正当な使い方として、料理を作るために使っていても怪我をすることがあります。それと同じですよ。』

貴方はこの理屈が正しいと思いますか?
ここで一旦ブラウザを閉じて考えてみてください。
考えるまでもありませんか。失礼しました。


私には何が同じなんだかさっぱり分かりません。
以下は私のヘリクツです。

包丁一つでおいしい料理は作れません。それ以前に使うのは人間です。考えて使うモノであって、それ自体を放っておけば何も起こりません。
料理にしたって素材選び、料理法、様々な要因があっておいしい料理ができるのです。その一因であるだけの包丁にそれほどのリスクを負わせて、万が一失敗した場合の責任を全てそこに転嫁するというのは果たしてフェアな言い分でしょうか。

このヘリクツ、バカ丸出しですね。的がズレまくってます。こんなこと言うと逆に説教食らいますよ。
でも、一つだけ導き出せるのは「無視すること」です。
放っておけば貴方の身には何も起こりません。ヘタにいじくり回すといずれ怪我でもするでしょう。私のことです。



では別のアプローチ。
これも「人が使う物」ということを前提としています。
包丁なんて、小さい頃からお母さんが使っている所を見て学んでいます。「危ないから気をつけて」とか「こうすれば良く切れる」とか。大人になって初めて見るなんてことは皆無です。
アムウェイのビジネスシステムについてはどうでしょう。殆どの方が初めて見聞きすることではないでしょうか。幼少から叩き込まれていると言う方がいたら是非とも会ってみたいです。
ビジネスシステムと言うからには確立されたものであって、一個人の判断で自由に用法が変えられるものではたまったもんじゃありません。きちんと方法が決まったものであるべきです。勧誘方法しかり、プレゼン方法しかり。

しかし、アムウェイDTの方にそのビジネスの方法が決まっているのかと聞けば「それは自由」とのこと。
野放しなんです。
否応なしに決まっていることは報酬システムだけ。

「ブッシュマン」という映画がありました。そう、ニカウさんです。同年代の方は一度はご覧になっているでしょう。知らない方の為にあらすじだけ。
『アフリカの奥地で暮らし、文明を全く知らないニカウさんとその種族。ある日上空を飛んでいたセスナのパイロットが投げ捨てたコーラの空き瓶を拾う。で、どう使って良いか分からないけれども、堅いし透明だからとかいろんな理由でいろんな用法を開発していくものの、ある日そのコーラの瓶で遊んでいた少年が怪我をしてしまう。他にも同じ種族の人間からのねたみのもとになったりとか、結局どう使って良いか分からない。結局、自分の手に余ると言うことでコーラの空き瓶を授かったであろう神様にどうにか返したい。そして故郷を捨てて旅に出る・・・。』
って感じだったと思います。うろ覚えなので間違っていたらご指摘ください。

もうお分かりだと思いますので、思考の過程は端折ります。
無知な者に与えるにはその個人に対するリスクが余りにも高すぎるということです。
よくわからないモノを無理して使うものじゃありません。
それで失敗しても、犯罪に走っても責任はその個人に押しつける。
空き瓶を捨てたパイロットに責任はないという理屈。それがアムウェイです。
危なくなったら切れば良いだけですね。切る必要もないか。この辺の雇用関係でない契約内容については私もよく知りません。気が向いたら聞いてみます。

法律用語で「善意の第三者」というのがあります。この場合の「善意」とは「知らない」ということです。私の見解ではアムウェイのDTの殆どが「善意の第三者」です。
だって知らないんだもん。バカという意味ではありません。
製品の虚偽表示にしても、根拠に基づかない勧誘トークも、事実を知らないんだったらしょうがない。たとえ不法行為が行われていたにしても罪は軽いです。
ソレを目論んだ上でのシステムとしか思えません。
DTがウソついて売ってて、そのウソに購買者が気付いたとしてもアムウェイ側は「ウチはそんなこと言ってませんから。もし良かったら返品してください。今後、気をつけてくださいね。」で済んじゃいます。でも、返品作業についてもDTが絡んでくることは間違いないので、殆どの方は話がややこしくなるくらいなら泣き寝入りするでしょう。上手いやり方です。

知識を与える課程すら末端のDT任せです。それが果たして正確な知識でしょうか。
私の知識もかなり曖昧ですが、正否については同程度でしょう。間違いを指摘する聞く側が有利であるかもしれません。
これ「当たり屋情報FAX」みたいなもんです。これも都市伝説ですね。
普段それほど注意していないし、注意し続けることは不可能。そういう車のナンバーという盲点に対してつけこんでくる。アムウェイの場合は車のナンバーが日用品に置き換わるわけです。
伝聞しまくって結局どれが本当かも分からないし、それを確認する為には恐ろしい労力を要するんです。
彼らは自分たちの行っていることをニッチ・ビジネス(隙間産業)と呼ぶこともあります。「日用品を売ることによって人の生活の隙間を埋めているから」らしいです。既に飽和状態の日用品市場の隙間って何でしょう?意味違ってますね。
商品が社会の隙間を埋めるのではなく、方法が人の隙間に入り込む。
笑えない恥ずかしい間違いは信用を失います。



貴方が切れないハサミであっても誰も誰も正しい使い方は教えてくれません。だって、使っているのは貴方ではなくて、貴方の上の方です。
誰かの体験談はその本人にしか当てはまりません。だから誰でも成功できる可能性があるという謳い文句が成立するのだと思っていました。
切れないハサミで無理矢理切ろうとして、自分が怪我したり、誰かに怪我を負わせたらどうなると思います?
ミリオーーーン、スロット!!!